TVのかわいそうな子どもたち
それは、その子たちのほんのひとつの側面でしかありません。
いや ひょっとしたら、何かしらの意図が働いて“つくられた”子どもたち なのかも。
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4月中旬、日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんが「気候変動と子どもたち」というテーマの下、ブルキナファソに視察に来られていた。(→アグネス大使の視察アルバム)
日本大使館職員主催の夕食会などで隊員は交流する機会があり、思い出に残るステキな夜を過ごすことができた。同行の大勢のジャーナリストの方たちと話をさせてもらったのも良い機会だった。
それから、1週間後。
「北部から来たストリートチルドレンにインタビューをしたい」
という理由で、その同行していたジャーナリストのうちの数名がAEMOにやって来た。
アグネスチャンはすでに帰国していたが、「気候変動と子どもたち」について引き続き取材をしているらしい。
AEMOに様々な支援をしてくれているUNICEFを通じての取材以来だったので、僕は直前になってAEMO所長に「今日の午後、日本人が来るぞ」と知らされたし、JICAに聞いてもボランティア調整員すら知らなかった。まぁ、それは別にいいねんけど。
日本人ジャーナリスト団は、AEMO所長に今回の取材について説明したあと、ブルキナ北中部(北部からの子どもはこの日AEMOにいなかった)の村から来たという2人の少年を紹介されて、カメラをまわし、インタビューを始めた。
僕はその二人をよく知っている。
でも、カメラを向けられた彼らは、僕が知っている彼らではなく、
緊張した面持ちで、インタビューアーの質問に一つずつ小さな声で答えていて、
いつものように仲間と夕食を食べにいこうとしていたところを、突然つかまえられてカメラの前に座らされ、次々に質問をうける彼らに
いつもの元気な笑顔はなかった。
でも、これも彼らの一つの側面かもしれない。
インタビューでは、普段僕では聞き出せない村でのこと、家族のことについて、どんどん話していた(真実かどうかは別として)。
でも、
僕はもっと違う彼らを知っている。
仲間と笑顔でおしゃべりをし、元気にサッカーを楽しむ彼らを。
それをジャーナリストの人たちに伝えたいと思ったが、それは彼らが今求めている子どもたちではないだろうと思ったし、黙ってそのインタビューを見ていた。
インタビューが終わって、解散、
少年らはようやく食事にいける、と思いきや、
次は彼らが夜を中心に集まっている市内の大通りで「撮影」をするとのこと。
どんな撮影?と思って自転車で後から追いかけたいったら、そこには
肩を組んで寄り添って不自然に大通りを歩いているところを撮られている、さっきの二人がいた。
来た道を引き返していく と思ったら、撮り直し。
あぁ、これが やらせ か。
そのあと僕は見失ったが、翌日彼らに聞くと、大通りのあとは空港に行き、同じように撮影をうけ、終わってからそれぞれ5,000Fcfa(約1,000円)を受け取った らしい。
5,000Fcfaは大金です。
そんな大金をぽんっ、と簡単にストリートチルドレンに直接あげてしまう日本人ジャーナリストの行動に AEMO所長はすぐさまUNICEFへ抗議の電話。
「子どもたちは、お金をもらったらシンナーを買うのにつかってしまう恐れがある」
「子どもに直接ではなく、AEMO職員を通すべきではないのか」
「直接あげるにしても、AEMO職員は何も聞いてない」
「自分と同じ日本人が迷惑をかけてしまったことが申し訳ないです…」
抗議の電話が終わって、僕がそう謝ると、
「日本人たちも、UNICEFのブルキナベスタッフすらも、子どもたちのそういう(シンナーに使ってしまうという)習慣を知らなかったから、あげちゃったんだね…」
そう残念そうに話すAEMO所長は、
「UNICEFはパートナーだ。彼らはAEMOを支援してくれている。UNICEFからの依頼じゃなかったら、今回の取材は断っていたよ。」とも話してくれた。
AEMO所長は、子どもたちがテレビ取材が嫌いなことを知っていて、
今回の取材を承諾していた。
ちなみにお金をもらった子どものうち、小さい方の子は、すぐさまそのお金を年上の仲間に取り上げられた。
今回の取材で、AEMOに、子どもらに何のメリットがあったんやろう。
そんな背景があって撮られた今回の映像は、日本でどんなふうに放送されるんかな。
もし日本に帰国して見ることができたら、横で見ている人に教えてあげたい。
彼らには もっとたくさんのステキな表情があることを。
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コメント
うちが協力隊に参加したきっかけは、「TVのかわいそうな子供たち」を見て・・・です。
そのテレビ番組の子供達と、幸せいっぱいのフィジーはかけ離れていたけども、まだ自分のイメージでは、アフリカはあのテレビのイメージが残ってる・・・。
やから、実際に2年間住んで帰ってきた色々な国の隊員から、話を聞くんは楽しみにしてます♪
投稿: chika | 2009年5月 3日 (日) 23時47分
おお、あの後そんな取材があったとは知らなかった・・・。
あからさまやね。
サヘルの金鉱でのNHKの撮影でも、私もまると同様のこと考えたよ。
「かわいそうな子どもたち」を撮ることで
UNICEFとしてはより多くの支援を得て、
それがより多くの子どもに利益を与えられるかもしれないけど、それだけじゃない部分を伝えてもらえないことが残念だよね。
投稿: ぶるとも | 2009年5月 4日 (月) 19時40分
→chika
隊員志望の人の多くはTVの影響ちゃうかなーって思う。自分も少なからずそうやし ね。
話聞くだけじゃなくて、直接行けたらいいね。
→ぶるとも
あったんよー、忘れかけてたころに・・。
わかるねん、そうわかるねん、UNICEFやジャーナリストの意図も。でも・・・残念やんね。
それだけじゃない部分、その部分を伝えていくのもうちらの役目かなーって 日本に先帰った某おねぇさんからのメールを読んで改めて思ったよ。
投稿: Kentaro | 2009年5月 5日 (火) 01時45分
この日記読んで、こういう形でこういう現実を知れて良かったなと思ったよ。
テレビがすべてを伝えてるわけじゃないってことを
見てる私たちが分かってないとだめだね。
投稿: まおり | 2009年5月 6日 (水) 04時44分
→まおりん
よかった、日記に書いた甲斐があった!
でも実際、テレビって見てる人をひきつけるために魅力的につくってあるし、惑わされやすいやんね。うーん、むずかしい。帰国して日本のTVの見方がどう変わってるか今から楽しみ。
投稿: Kentaro | 2009年5月 6日 (水) 22時26分