がんばれ、がんばれ
隊員が活動している医療施設を2つ訪問した。
1つ目は同期の理学療法士隊員さんが活動しているカトリック系リハビリセンター。
この日は、背中の筋肉が胸の筋肉よりも強いために、胸が開いた姿勢のままの男の子が連れられてきた。さらにこの子は生後30分間泣かなかったために脳性マヒになり、目が見えず、耳も聞こえない。
まずは全身のマッサージから。ゆっくりと体をほぐしていく。
次に座らせたりうつ伏せにしたりして、腕で体を支える練習。
…でもすぐに胸が開いて、パタンって倒れてしまう。
名前を呼んだり、手をたたいたりして励ますけど、聞こえてない。
聞こえてないけど、励まし続ける同期隊員の診療の様子がとても温かかった。
診療を続けてきたことで、少しずつ体がやわらかくなってきているらしい。
いつの日か座って、立って、歩けるようになる日が来るのだろうか。
いやもしその日が来ても、ただでさえ食べること、仕事を続けることが困難なブルキナでこの子はどのようにこれから生きていくのだろうか。
2つ目は、CRENという栄養不良児回復センター。
ここで、保健師の先輩隊員さんが活動している。
ここに入院している、もしくは通ってくる乳幼児はみな、栄養不良が原因で「その年齢で達していなければならない体重」にはるかに及んでいない。栄養不良児特有の、手足が細く、おなかがパンパンに膨れた子どもたちがお母さんに寄り添われ、CRENに集まっている。手遅れの子、うまく栄養回復しない子も少なくなく、先輩隊員さんはここで亡くなった子を何人も見ているらしい。
なぜ、栄養不良なのか。
食糧不足かと思いきや、先輩隊員さん曰く、
「村や家にあるもので十分栄養のつくものは作られるが、作り方を知らない、知識がない」とのこと。
センターに着いたらまず体重測定。
天井から布袋を吊るし、そこに子どもを入れて測る。
「おっ、順調にふえてるね~」
「あれ、あんまり増えてない…。下痢してた?」
そんな会話を交えながら記入する母子健康手帳を見ると、「+200(g)」「-300(g)」などの記録が並んでいる。それらをグラフにしたものをみると、「年齢の割に低体重」「年齢の割にとても低体重」のモデルグラフが書かれているのだが、子どもたちの体重グラフはそれをはるかに下回っている。
左写真奥のお母さん、ミルクが中心の栄養飲料を子どもに無理やり飲ませる。飲みたがらない子ども口に流し込み、ほっぺたを両側からおさえて、鼻をつまんで、飲み込ませる。もちろん子どもは泣きわめきながらなので、
「ウェーーーンウェーーーン、ボゴボゴボゴボゴ……」
と、おぼれたような声がCRENに響き渡っていた。
母は強し。
右写真の子はもう3歳になるのに、この小ささ。
まだ歩けず、しゃべれない。
順調に回復してきてはいるが、まだまだ。
数百グラムの成長を温かく見守るCREN。
まだ弱いながらも時折かわいらしい笑顔を見せる子どもたちと、それをながめ微笑むお母さん。大変やけど、厳しい生活やけど、でもとても温かい気持ちになるセンターだった。ここにいると、ダイエットで数キロ痩せた太ったと言っている生活がとても能天気に思えた。
リハビリセンターでもCRENでも、自分はたまに子どもに話しかけながら、ただただ「がんばれ、がんばれ」と思うことしか出来なかった。
子どもたちは、もう精一杯がんばってるのにね。
でも、それでも思う。願う。 がんばれ、がんばれ。
















